健康診断で肝臓と腎臓の検査値の異常を指摘された58歳の男性が、結果の用紙を持って…
健康診断で肝臓と腎臓の検査値の異常を指摘された58歳の男性が、結果の用紙を持って来局し、意味を教えてほしいと相談した。臨床検査の値の解釈に関する説明のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ ASTは肝臓に特有の酵素であり、値の上昇は肝細胞の障害だけを示す。ASTは心筋や骨格筋、赤血球にも多く含まれ、心筋梗塞や筋の障害、溶血でも上昇します。
- ⑵ 血液中の尿素窒素の値は、たんぱく質を多くとった後や脱水のときに低下する。尿素窒素はたんぱく質の摂取量の増加や消化管出血、脱水で上昇します。低下するのではないため、腎機能以外の要因も考えて解釈します。
- ⑶ C反応性たんぱく質は、細菌に感染した初期には低下し、炎症が治まると上昇する。C反応性たんぱく質は炎症や組織の障害で肝臓でつくられて上昇し、炎症が治まると低下します。
- ⑷ ALTは主に肝臓の細胞に多く含まれる酵素で、肝細胞が傷つくと血液中の値が上がる。ALTは肝臓に比較的特異的な酵素で、肝炎などで肝細胞が壊れると血中に漏れ出して上昇します。
- ⑸ クレアチニンの血中濃度が上がっていることは、糸球体でろ過される量の低下を示している。クレアチニンは主に糸球体でろ過されて排泄されるため、ろ過量が減ると血中に蓄積して値が上がります。
解説
正しいのは、ALTとクレアチニンの血中濃度の意味についての説明です。肝機能の検査では、ALTは肝臓に比較的特異的で、ASTは心筋や骨格筋の障害でも上がるため、両者の比も参考にします。腎機能の検査では、クレアチニンの血中濃度の上昇は糸球体ろ過量の低下を示し、尿素窒素はたんぱく質の摂取や脱水で上昇します。C反応性たんぱく質は炎症の程度を示す指標です。検査値は他の所見と合わせて判断します。
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