新型コロナウイルス感染症のmRNAワクチンの接種を控えた60歳の男性が、「遺伝子…
新型コロナウイルス感染症のmRNAワクチンの接種を控えた60歳の男性が、「遺伝子を注射すると自分の遺伝子が変わってしまうのではないか」と不安を訴えて来局した。説明の根拠となる転写と翻訳の仕組みについて、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 投与されたmRNAは分解されにくく、体内の細胞の中に何年も残り続けて働き続ける。mRNAは細胞内で比較的速やかに分解され、長期間とどまることはありません。
- ⑵ 投与されたmRNAは細胞質のリボソームで翻訳され、ウイルスのたんぱく質の一部がつくられる。mRNAは細胞質で鋳型として使われ、免疫の目印となるたんぱく質がつくられたあと、分解されます。
- ⑶ 翻訳では、mRNAの連続した3つの塩基の並びが、1つのアミノ酸に対応している。3塩基の並び(コドン)にtRNAのアンチコドンが対合し、対応するアミノ酸が順につながります。
- ⑷ 投与されたmRNAは細胞の核に入り、DNAに組み込まれて、その人の遺伝情報を書きかえる。mRNAは核に入らず、ヒトの細胞にはRNAをDNAに組み込む仕組みも通常ありません。
- ⑸ 転写は細胞質で行われ、DNAを鋳型としてtRNAが直接合成されて、たんぱく質となる。真核細胞の転写は核の中で行われ、DNAを鋳型にmRNAなどがつくられます。
解説
正しいのは、mRNAが細胞質で翻訳されることと、コドンについての記述です。遺伝情報は、核の中でDNAからmRNAへ転写され、細胞質のリボソームでmRNAの3塩基ごとの並びに従ってアミノ酸がつながれて、たんぱく質に翻訳されます。mRNAワクチンは細胞質で翻訳されてウイルスのたんぱく質の一部をつくらせるもので、mRNAは核に入らず、速やかに分解されます。
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