てんかんの患者がフェニトインを服用している。発作が続くため1日量を200 mgか…
てんかんの患者がフェニトインを服用している。発作が続くため1日量を200 mgから300 mgへ1.5倍に増やしたところ、数週間後の血中濃度は増量前の3倍近くになり、眼振とふらつきが現れた。この現象の説明として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 増量によって肝臓の代謝酵素が誘導され、活性のある代謝物が増えたため。酵素が誘導されれば消失が速まり、血中濃度は用量に比べてむしろ上がりにくくなります。
- ⑵ 血漿たんぱく質との結合が飽和し、組織から血漿へ薬物が戻ってきたため。結合が飽和すると遊離形が組織へ移り消失も進むため、総濃度が用量以上に上がる理由にはなりません。
- ⑶ 代謝酵素が飽和に近づき、消失速度が濃度に比例して増えなくなったため。ミカエリス・メンテン型の消失では、濃度が上がると消失速度が頭打ちになり、濃度が用量以上に上がります。
- ⑷ 尿細管での再吸収が増えて、未変化体の腎排泄が大きく減ったため。フェニトインは主に肝臓で代謝されて消失し、未変化体の腎排泄はわずかです。
- ⑸ 腸管からの吸収率が用量とともに上がり、生体内利用率が大きくなったため。フェニトインは高用量でむしろ溶けにくさから吸収率が下がりやすく、この現象の主な理由ではありません。
解説
最も適切なのは、代謝酵素が飽和に近づき、消失速度が濃度に比例して増えなくなったという説明です。フェニトインの肝臓での代謝は治療域の濃度で飽和に近く、ミカエリス・メンテン式に従う非線形の体内動態を示します。そのため用量を少し増やしただけで定常状態の血中濃度が大きく上がり、眼振や運動失調などの中毒症状が出やすくなります。増量は少しずつ行い、血中濃度を測定しながら調節します。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。