眼底検査のため、トロピカミドとフェニレフリン塩酸塩を含む点眼薬で散瞳させた。検査…
眼底検査のため、トロピカミドとフェニレフリン塩酸塩を含む点眼薬で散瞳させた。検査のあと数時間は、車の運転を控えるよう患者に説明した。この注意が必要になる、トロピカミドの作用の機序として正しいのはどれか。
- ⑴ 瞳孔括約筋と毛様体筋のムスカリン受容体を遮断し、散瞳と調節の麻痺を起こす。毛様体筋が働かなくなるとピントが合わせにくくなり、散瞳でまぶしさも続くため運転は危険です。
- ⑵ 角膜の知覚神経の伝導を遮断し、まばたきの反射を弱める。これはオキシブプロカインなど点眼用の局所麻酔薬の作用です。
- ⑶ 網膜の視細胞で光を受け取る働きを抑え、色の区別をつきにくくする。トロピカミドは網膜の視細胞には作用しません。見えにくさは瞳孔と毛様体筋への作用によるものです。
- ⑷ 瞳孔散大筋のα1受容体を刺激し、瞳孔を広げて光をまぶしく感じさせる。α1受容体を刺激して散瞳させるのは、同時に含まれるフェニレフリンの作用です。
- ⑸ 毛様体での房水の産生を抑え、眼圧を急に下げて視野を狭める。房水の産生を抑えるのはβ遮断薬や炭酸脱水酵素阻害薬で、トロピカミドの作用ではありません。
解説
正しいのは、瞳孔括約筋と毛様体筋のムスカリン受容体を遮断して散瞳と調節の麻痺を起こすという機序です。瞳孔括約筋と毛様体筋は副交感神経の支配を受けており、トロピカミドはこれを遮断して瞳孔を広げ、近くにピントを合わせる働きを一時的に止めます。作用は数時間続くため、まぶしさとかすみで運転が危険になります。フェニレフリンは交感神経側から瞳孔散大筋を収縮させて散瞳を強めます。
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