顔面のアトピー性皮膚炎で、副腎皮質ステロイド外用薬を長く使うと皮膚が薄くなること…
顔面のアトピー性皮膚炎で、副腎皮質ステロイド外用薬を長く使うと皮膚が薄くなることが心配されたため、タクロリムス水和物の軟膏が処方された。この薬の作用機序として、正しいのはどれか。
- ⑴ 真菌の細胞膜をつくるエルゴステロールの合成を、途中の段階で阻害する。これはアゾール系などの抗真菌薬の作用機序です。
- ⑵ 皮膚のヒスタミンH1受容体を遮断し、主にかゆみの伝わりを抑える。これは抗ヒスタミン薬の作用で、タクロリムスはヒスタミン受容体に作用しません。
- ⑶ 皮膚の糖質コルチコイド受容体に結合し、遺伝子の転写を調節する。これは副腎皮質ステロイド外用薬の作用機序で、皮膚の萎縮の原因にもなります。
- ⑷ T細胞のカルシニューリンを阻害し、炎症を起こすサイトカインの産生を抑える。タクロリムスはFK結合たんぱく質と複合体をつくってカルシニューリンを阻害し、T細胞の活性化を抑えます。
- ⑸ ビタミンD3受容体に作用し、表皮の細胞が増えすぎるのを抑える。これはカルシポトリオールなど活性型ビタミンD3外用薬の作用で、乾癬に用いられます。
解説
正しいのは、T細胞のカルシニューリンを阻害して炎症性サイトカインの産生を抑えるという機序です。タクロリムスは細胞内のFK結合たんぱく質と複合体をつくり、T細胞の活性化に必要なカルシニューリンの働きを止めて、インターロイキン2などの産生を抑えます。副腎皮質ステロイドのような皮膚の萎縮を起こしにくいため、顔面などに使いやすい薬です。塗り始めにほてりやひりひり感が出ることがあります。
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