71 歳の女性。1か月前からの視力低下を主訴に来院した。視力は右0.05(矯正不…
71 歳の女性。1か月前からの視力低下を主訴に来院した。視力は右0.05(矯正不能)、左0.1(0.6×cyl-2.00 D 90°)。全体的に暗く見えるという。前眼部所見として、左眼と比較し右眼にやや強い加齢白内障を認める。呼吸器疾患に対して内科にて1年以上の投薬加療中である。視野検査の結果(別冊No. 9A)とOCT 検査の結果(別冊No. 9B)を別に示す。まず行うべきなのはどれか。
- ⑴ ERG網膜疾患を疑う所見はなく、まず原因薬の確認が優先されます。
- ⑵ 血圧測定血圧測定は本例の視力低下の原因検索として優先されません。
- ⑶ 頭部MRI 検査頭部MRIは必要に応じて行いますが、まず投薬内容の確認が優先されます。
- ⑷ 蛍光眼底造影検査蛍光眼底造影は網膜循環の評価で、本例ではまず行うべき検査ではありません。
- ⑸ 投薬内容の問い合わせエタンブトールなど原因薬を確認し、早期に中止するために問い合わせます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。視野とOCTは確認できませんが、呼吸器疾患で1年以上投薬を受けている高齢者が、両眼の視力低下を訴え、白内障では説明できないほど視力が低下していることから、結核治療薬のエタンブトールによる中毒性視神経症が疑われます。両眼の中心暗点や色覚異常が典型です。原因薬を早期に中止すれば回復が期待できるため、まず内科に投薬内容を問い合わせることが重要です。ERGや蛍光眼底造影、MRIはその後の鑑別で必要に応じて行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-10.html)を加工して作成