9歳の男児。右眼にボールがあたり、その後から物が2つに見えると訴えて来院した。上…
9歳の男児。右眼にボールがあたり、その後から物が2つに見えると訴えて来院した。上方視、正面視および下方視の写真(別冊No. 3)を別に示す。障害されているのはどれか。
- ⑴ 内直筋内直筋は内壁骨折で絞扼され得ますが、上方視・下方視の障害の典型は下壁骨折です。
- ⑵ 下直筋下壁骨折で下直筋が絞扼され、上転・下転とも制限されて上下複視を生じます。
- ⑶ 外直筋外直筋は吹き抜け骨折で障害されることはまれです。
- ⑷ 上直筋上直筋は眼窩上方にあり、下壁骨折では障害されません。
- ⑸ 上斜筋上斜筋は滑車部の外傷で障害されることがありますが、吹き抜け骨折の典型ではありません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。写真は確認できませんが、9歳男児がボールの打撲後に複視を訴える経過は、眼窩吹き抜け骨折の典型です。小児では眼窩下壁の線状骨折に下直筋や周囲組織が挟まりやすく(閉鎖型)、上方視で患眼が上転できず、下方視でも下転が制限されて上下複視を生じます。障害されるのは下直筋で、迷走神経反射による嘔気を伴うこともあり、絞扼例では早急な整復手術が必要です。CTで骨折部を確認します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp160411-07.html)を加工して作成