30歳の男性。乳児期に両眼の網膜芽細胞腫で治療を受け、現在は右眼の視力が保たれて…
30歳の男性。乳児期に両眼の網膜芽細胞腫で治療を受け、現在は右眼の視力が保たれている。結婚を控え、自分の子に病気が伝わるかどうかを相談に来た。この男性の病気の遺伝についての説明として最も適切なのはどれか。
- ⑴ X染色体上の遺伝子の変異による病気で、父親から息子へ受け継がれ、娘は保因者にとどまる。父親のX染色体は娘に受け継がれ、息子には伝わりません。この病気の原因遺伝子もX染色体上にはありません。
- ⑵ ミトコンドリアDNAの変異による病気で、母親から子へ伝わり、父親である本人からは伝わらない。網膜芽細胞腫は核にあるがん抑制遺伝子の異常によるもので、ミトコンドリアDNAの病気ではありません。
- ⑶ 両親がともに保因者である常染色体潜性の病気で、本人の子に病気が現れる確率は4分の1である。網膜芽細胞腫は常染色体潜性の形式では伝わりません。4分の1は保因者どうしの子での確率です。
- ⑷ がん抑制遺伝子の片方の変異を全身の細胞にもち、子に伝わる確率は1人ごとに2分の1である。両眼性の網膜芽細胞腫は生殖細胞にも変異があることが多く、常染色体顕性の形で子に伝わります。
- ⑸ 眼の中で生後に偶然生じた変異による病気で、子に伝わる確率は一般の人と同じである。両眼に生じた例は、生まれつき全身の細胞に変異をもつ遺伝性のものと考えて説明します。
解説
最も適切なのは、がん抑制遺伝子の片方の変異を生まれつきもち、子に伝わる確率は1人ごとに2分の1という説明です。網膜芽細胞腫は、がん抑制遺伝子の2つの対立遺伝子の両方が働かなくなると発生します。両眼に生じた例では、片方の変異が生まれつき全身の細胞にあり、網膜で残りの片方に変異が加わって腫瘍が生じたと考えます。この変異は常染色体顕性の形で子に伝わります。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。