40歳の男性。右外転神経麻痺がある。遠見で左眼に固視させると右眼が15Δ内斜する…
40歳の男性。右外転神経麻痺がある。遠見で左眼に固視させると右眼が15Δ内斜するが、右眼に固視させると左眼は30Δ内斜した。麻痺眼で固視したときにずれが大きくなる理由を説明する法則はどれか。
- ⑴ ある筋が収縮すると、同じ眼の拮抗筋が緩むという法則同じ眼の主動筋と拮抗筋の関係は、片眼の中での働きを説明するもので、両眼のずれの左右差は説明できません。
- ⑵ 近くを見るときに、調節と輻湊と縮瞳が連動して起こるという法則近見反応の連動は近くを見るときの仕組みで、遠見での固視眼による偏位の違いは説明しません。
- ⑶ 両眼の共同筋には、同じ量の神経の興奮が送られるという法則麻痺した右外直筋を働かせるために強い興奮が送られ、共同筋の左内直筋にも同じ量が届くため左眼が大きく内転します。
- ⑷ 眼球の回旋の量は、視線の向きによって一通りに決まるという法則視線の向きで回旋が決まるという法則は、回旋の位置を説明するもので、偏位の大きさの左右差とは関係しません。
- ⑸ 網膜の各点は、他眼の網膜の対応する点と同じ方向を示すという法則網膜の対応の法則は見える方向を説明するもので、筋に送られる神経の量の違いは説明しません。
解説
両眼の共同筋に同じ量の神経の興奮が送られるという法則(ヘリングの法則)が正解です。右眼で固視すると、麻痺した右外直筋を働かせるために強い興奮が必要になり、その共同筋である左内直筋にも同じ量が送られます。その結果、健眼の左眼が大きく内転し、麻痺眼で固視したときの第2偏位は、健眼で固視したときの第1偏位より大きくなります。
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