誤嚥性肺炎の既往がある82 歳の男性に嚥下造影検査を行った。認知症高齢者の日常生…
誤嚥性肺炎の既往がある82 歳の男性に嚥下造影検査を行った。認知症高齢者の日常生活自立度はⅢである。現在、ミキサー食を全介助にて全量摂取しており、食事中に時々むせが認められているという。とろみをつけた液体を摂取した際の咽頭期の嚥下造影検査の写真(別冊No. 24A、B、C、D)を別に示す。肺炎予防のために推奨されるのはどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 交互嚥下交互嚥下は咽頭残留を除く方法ですが、指示理解が必要で、認知症の進んだ患者には実施が難しいです。
- ⑵ 胃瘻の造設経口で全量摂取できている段階で胃瘻を造設する必要はなく、まず姿勢などの調整を行います。
- ⑶ 複数回嚥下複数回嚥下は指示に従って意識的に行う必要があり、認知症の進んだ患者には難しいです。
- ⑷ バルーン拡張訓練バルーン拡張訓練は食道入口部の開大不全に対する訓練で、本例の対応として推奨されていません。
- ⑸ 食事時の体幹角度調整リクライニング位などで体幹角度を調整し、重力を利用して誤嚥を減らします。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。写真は提示されていませんが、誤嚥性肺炎の既往がある認知症の高齢者で、嚥下造影検査ではとろみ付きの液体でも喉頭侵入や誤嚥が示されていると考えられます。全介助で食事を全量摂取できている状態では、まずリクライニング位などの食事時の体幹角度調整を行い、重力を利用して食塊の送り込みを助け、気道に入りにくくする代償法が推奨されます。交互嚥下や複数回嚥下は指示理解が必要で認知症の進んだ患者には難しく、胃瘻造設やバルーン拡張訓練は本例では第一選択ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成