76 歳の男性。飲み込みづらいことを主訴として来院した。3 年前に脳梗塞を発症し…
76 歳の男性。飲み込みづらいことを主訴として来院した。3 年前に脳梗塞を発症し、回復期病院でリハビリテーションを行ったが、現在も片麻痺が残存しているという。食形態はミキサー食であり、液体にはとろみをつけていないがむせることなく全量を摂取しているという。初診時に行った口腔機能検査では異常値が認められなかったため、嚥下造影検査を行うこととした。液体嚥下時の嚥下造影検査の画像(別冊No. 21)を別に示す。嚥下時に推奨される代償的アプローチはどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 頸部回旋麻痺側へ頸部を回旋して食塊を健側へ通過させ、咽頭残留や誤嚥を防ぎます。
- ⑵ 頸部伸展頸部伸展は気道が開きやすくなり、誤嚥を招きやすい姿勢です。
- ⑶ うなずき嚥下うなずき嚥下は喉頭蓋谷の残留に用いる方法で、片側性の残留には頸部回旋が適します。
- ⑷ 体幹角度調整体幹角度調整は送り込み障害などに用いる方法で、本症例の第一選択ではないと考えられます。
- ⑸ 液体のとろみ付与とろみ付与は食形態の調整で、嚥下時の姿勢による代償的アプローチとは異なります。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。画像は確認できませんが、脳梗塞後の片麻痺では咽頭の筋力に左右差が生じ、嚥下造影では麻痺側の梨状窩などに食塊が残留しやすくなります。頸部回旋(横向き嚥下)は麻痺側へ頸部を回旋させることで麻痺側の咽頭腔を狭め、食塊を健側の咽頭へ通過させる方法です。同時に回旋と反対側の食道入口部が開きやすくなり、残留や誤嚥を減らせます。頸部伸展はむしろ誤嚥を招きやすい姿勢です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成