75 歳の女性。下顎左側大臼歯部の腫脹を主訴として来院した。半年前から自覚してい…
75 歳の女性。下顎左側大臼歯部の腫脹を主訴として来院した。半年前から自覚していたが、疼痛がないためそのままにしていたという。粘膜の色に異常は認めない。既往歴として15 年前に乳癌の治療を受け、現在は経過観察中である。初診時のエックス線画像(別冊No. 12A)とCT(別冊No. 12B)を別に示す。最も疑われるのはどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 歯根囊胞歯根囊胞は失活歯の根尖部に生じる囊胞で、原因歯との関連が必要です。
- ⑵ 顎骨骨髄炎顎骨骨髄炎は疼痛や腫脹、排膿などの炎症症状を伴うことが多いです。
- ⑶ 単純性骨囊胞単純性骨囊胞は10〜20代の若年者に多く、腫脹を伴うことは少ない病変です。
- ⑷ 歯原性角化囊胞下顎臼歯部に好発し、顎骨の長軸方向に進展して無痛性の腫脹を示す囊胞です。
- ⑸ 乳癌の顎骨転移乳癌の既往から鑑別に挙がりますが、転移は境界不明瞭な骨破壊や疼痛、知覚異常を伴うことが多いです。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。画像は提示されていませんが、高齢者の下顎大臼歯部に、疼痛のない腫脹が半年前から続き、粘膜色にも異常がないことから、顎骨内で緩徐に増大する囊胞性病変が考えられます。公表正答から、画像では下顎骨の長軸方向に沿って進展する境界明瞭な透過像が示されていると考えられ、歯原性角化囊胞が最も疑われます。乳癌の既往があるため顎骨転移も鑑別に挙がりますが、転移は境界不明瞭な骨破壊や疼痛、知覚異常を伴うことが多いです。歯根囊胞は失活歯の根尖部、単純性骨囊胞は若年者に多く、骨髄炎は疼痛を伴います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成