65 歳の女性。下顎右側第一大臼歯の咀嚼時痛を主訴として来院した。5 年前に治療…
65 歳の女性。下顎右側第一大臼歯の咀嚼時痛を主訴として来院した。5 年前に治療を受け症状もなく経過していたが、1 週前から咬合時に痛みがあるという。診察の結果、再根管治療を行うこととした。初診時のエックス線画像(別冊No. 9A)と根管上部の根管充塡材除去後の口腔内写真(別冊No. 9B)を別に示す。続いて行う近心根管の処置で留意するのはどれか。3 つ選べ。
- ⑴ 髄管の存在髄管は髄床底と根分岐部を結ぶ側枝で、近心根管の処置で留意する事項ではありません。
- ⑵ 根管の作業長根尖まで確実に清掃・拡大するため、正確な作業長の決定が必要です。
- ⑶ フィンの存在フィンも清掃困難な形態ですが、本問の公表正答には含まれていません。
- ⑷ 分岐根管の有無近心根では根尖付近で根管が分岐することがあり、見落としが再発の原因となります。
- ⑸ 根管イスムスの存在近心頰側と近心舌側の根管を結ぶイスムスに感染源が残りやすく、清掃に留意します。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵、⑷、⑸です。写真は提示されていませんが、下顎第一大臼歯の近心根は扁平で、近心頰側と近心舌側の2根管があることが多く、両根管の間を連絡する根管イスムスや、根尖付近で分かれる分岐根管がしばしば存在します。これらの残存した感染源が再発の原因となるため、再根管治療では見落とさないよう注意して清掃します。また、正確な作業長を決めて根尖まで適切に拡大・洗浄することも重要です。髄管は髄床底から根分岐部に通じる管で根管内の処置対象ではなく、フィンも公表正答に含まれていません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成