62 歳の男性。右側顔面の皮疹を主訴として来院した。5 日前から右側顔面の搔痒感…
62 歳の男性。右側顔面の皮疹を主訴として来院した。5 日前から右側顔面の搔痒感と違和感を自覚していたが、皮疹の出現とともに疼痛も強くなってきたという。初診時の顔貌写真(別冊No. 10A、B)と口腔内写真(別冊No. 10C)を別に示す。急性期治療後に説明が必要なのはどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 下唇の運動障害下唇の運動障害は顔面神経の障害によるもので、三叉神経領域の帯状疱疹の後遺症として説明する事項ではありません。
- ⑵ 終生免疫の獲得帯状疱疹は潜伏したウイルスの再活性化で起こり、再発もありうるため終生免疫は獲得されません。
- ⑶ 抗体価の定期的測定急性期治療後に抗体価を定期的に測定する必要はありません。
- ⑷ 神経障害性疼痛の出現皮疹の治癒後も痛みが続く帯状疱疹後神経痛が高齢者に多く、説明が必要です。
- ⑸ 第Ⅷ脳神経症状の出現第Ⅷ脳神経症状(難聴やめまい)は顔面神経領域のRamsay Hunt症候群でみられるものです。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。写真は提示されていませんが、高齢者の片側顔面に、搔痒感や違和感が先行した後に疼痛を伴う皮疹が出現していることから、三叉神経領域の帯状疱疹が考えられます。抗ウイルス薬による急性期治療の後も、神経の損傷によって皮疹が治った後に痛みが長く続く帯状疱疹後神経痛(神経障害性疼痛)が生じることがあり、特に高齢者で多いため説明が必要です。下唇の運動障害は顔面神経の問題、第Ⅷ脳神経症状はRamsay Hunt症候群でみられ、帯状疱疹は再発しうるため終生免疫は得られません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成