35 歳の男性。下顎右側第一大臼歯のメタルインレー脱離による審美不良を主訴として…
35 歳の男性。下顎右側第一大臼歯のメタルインレー脱離による審美不良を主訴として来院した。痛みがないためそのままにしていたという。打診痛はなく、歯髄電気診で生活反応を示した。診察の結果、セラミックインレー修復を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊No. 8A)とエックス線画像(別冊No. 8B)を別に示す。窩洞形成を行うにあたって考慮すべき事項はどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 窩縁斜面の付与窩縁斜面を付与するとセラミックの辺縁部が薄くなり破折しやすいため、バットジョイントとします。
- ⑵ 線角部の曲面化線角部を曲面化して応力集中を避け、セラミックの破折を防ぎます。
- ⑶ 補助的保持形態の付与セラミックインレーは接着性レジンセメントで保持するため、補助的保持形態は必要ありません。
- ⑷ 歯肉縁上の歯肉側窩縁の設置歯肉側窩縁は齲蝕や旧修復物の範囲に応じて設定し、歯肉縁上への設置が本例の主な考慮事項とはされていません。
- ⑸ インレー体への十分な厚みの付与セラミックは薄いと破折しやすいため、十分な厚みを確保できる窩洞とします。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵と⑸です。写真は提示されていませんが、セラミックインレーは脆性材料で、引張応力や応力集中によって破折しやすい性質があります。そのため窩洞形成では、線角部を丸めた曲面として応力集中を避け、インレー体の厚みを十分に確保できるよう、咬合面部では1.5〜2mm程度の深さと幅を与えます。窩縁斜面を付与すると辺縁部が薄くなって破折しやすくなるため付与しません。接着で保持を得るため補助的保持形態は不要で、歯肉側窩縁の位置は症例に応じて決めます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成