78 歳の女性。義歯の製作を希望して来院した。8 か月前に右側上顎腫瘍の切除術が…
78 歳の女性。義歯の製作を希望して来院した。8 か月前に右側上顎腫瘍の切除術が施行され、現在も口腔外科へ通院中であるという。診察の結果、補綴歯科治療を行うこととした。初診時の上顎欠損の口腔内写真(別冊No. 22A)と補綴装置製作過程の写真(別冊No. 22B)を別に示す。製作する補綴装置で、矢印に示す構造によって改善されるのはどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 構音口腔と鼻腔を遮断し、開鼻声や構音障害を改善します。
- ⑵ 咬合咬合は人工歯部で回復するもので、栓塞部の役割ではありません。
- ⑶ 開口量開口量は瘢痕や顎関節の問題で、栓塞部では改善しません。
- ⑷ 下顎位下顎位は咬合関係で決まり、栓塞部の役割ではありません。
- ⑸ 鼻漏出欠損腔を塞ぎ、飲食物の鼻腔への漏出を防ぎます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑸です。写真は見られないため本文から考えます。上顎腫瘍切除後で口腔と鼻腔・上顎洞が交通しているため、顎義歯に欠損腔を塞ぐ栓塞部(オブチュレーター部)を付与したと考えられます。栓塞部で口腔と鼻腔を遮断することで、呼気が鼻へ漏れる開鼻声や構音障害が改善し、飲食物の鼻漏出も防げます。咬合や下顎位は人工歯部、開口量は顎関節や瘢痕の問題で、栓塞部では改善しにくいと考えられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-02.html)を加工して作成