舌後方部に軽度の食物残渣と「カ」行の発音の異常を認める全部床義歯装着中の84 歳…
舌後方部に軽度の食物残渣と「カ」行の発音の異常を認める全部床義歯装着中の84 歳の男性。4 年前に脳梗塞の既往がある。発音試験において、「サ」行、「タ」行および「パ」行は明瞭であった。義歯の調整において考慮すべきなのはどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 垂直的下顎位咬合高径が高すぎると奥舌が口蓋に届きにくくなるため、垂直的下顎位を考慮します。
- ⑵ 水平的下顎位水平的下顎位の異常は「カ」行の発音障害を直接説明しにくく、優先して考慮する事項ではありません。
- ⑶ S 字状隆起の程度S字状隆起は「サ」行の発音に関与し、「サ」行が明瞭な本症例では問題ありません。
- ⑷ リップサポートの程度リップサポートは「パ」行などの口唇音に関与し、本症例では問題ないと考えられます。
- ⑸ 義歯床口蓋後方部の厚さ義歯床口蓋後方部が厚いと奥舌の運動が妨げられ、「カ」行の発音障害を生じます。
解説
正解は⑴と⑸です。「カ」行の音は奥舌を軟口蓋や口蓋後方部に接触させてつくる音で、義歯床口蓋後方部が厚すぎると舌の動きが妨げられ、発音が不明瞭になります。また垂直的下顎位(咬合高径)が高すぎると舌と口蓋との距離が大きくなり、脳梗塞後で舌の運動機能が低下している本症例では奥舌が口蓋に届きにくく、舌後方部の食物残渣にもつながります。「サ」「タ」「パ」行が明瞭なことから、前方部の形態やリップサポートは問題ないと考えられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成