73 歳の男性。咀嚼困難を主訴として来院した。3 年前に製作した上下顎全部床義歯…
73 歳の男性。咀嚼困難を主訴として来院した。3 年前に製作した上下顎全部床義歯は安定しているが、食事の際に物が嚙みづらくなり、上顎前歯部人工歯の脱離を繰り返していたという。初診時の咬頭嵌合位での顔面写真(別冊No. 19A)、下顎安静位での顔面写真(別冊No. 19B)及び使用中の義歯の写真(別冊No. 19C)を別に示す。咀嚼困難の原因として考えられるのはどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 口唇の過豊隆口唇の過豊隆は咀嚼困難や人工歯の脱離の原因とは考えにくいです。
- ⑵ 人工歯の咬耗臼歯部人工歯の咬耗で咬合高径が低下し、咀嚼効率が落ちます。
- ⑶ 下顎の前方偏位咬合高径の低下により下顎が前方へ偏位し、前歯部を突き上げます。
- ⑷ 床縁の形態不良義歯は安定しているため、床縁の形態不良は考えにくいです。
- ⑸ 臼歯部人工歯の水平的排列位置不良3年間問題なく使えており、排列位置の不良は主因とは考えにくいです。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵と⑶です。写真は見られないため本文から考えます。3年間使用した全部床義歯で、臼歯部人工歯が咬耗すると咬合高径が低下し、下顎が前上方へ回転して前方に偏位します。その結果、下顎前歯が上顎前歯人工歯を突き上げて脱離を繰り返し、咬合関係が乱れて嚙みにくくなったと考えられます。義歯自体は安定していることから、床縁の形態不良は考えにくいです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-02.html)を加工して作成