14 歳の男子。下顎左側臼歯部の歯肉の腫脹を主訴として来院した。3 か月前から自…
14 歳の男子。下顎左側臼歯部の歯肉の腫脹を主訴として来院した。3 か月前から自覚していたが、徐々に増大してきたという。初診時の口腔内写真(別冊No. 17A)、エックス線画像(別冊No. 17B)、CT(別冊No. 17C)及び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 17D)を別に示す。診断名はどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 顎骨中心性癌顎骨中心性癌は高齢者に多く、14歳の症例としては考えにくいです。
- ⑵ 歯原性線維腫歯原性線維腫は線維性結合組織中に歯原上皮が散在するまれな腫瘍で、本症例の典型像とは異なります。
- ⑶ 歯原性粘液腫歯原性粘液腫は粘液様基質に星状細胞が散在する腫瘍で、本症例とは組織像が異なると考えられます。
- ⑷ エナメル上皮腫若年者の下顎臼歯部に生じ、エナメル器様の上皮胞巣を示すエナメル上皮腫が考えられます。
- ⑸ 歯原性角化囊胞歯原性角化嚢胞は錯角化上皮で裏装される嚢胞で、腫瘍性の上皮胞巣はみられません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。画像や組織像は確認できませんが、14歳と若年で、下顎臼歯部に徐々に増大する歯肉腫脹を生じる顎骨病変として、エナメル上皮腫が考えられます。エナメル上皮腫は下顎大臼歯部から下顎枝に好発する良性の歯原性腫瘍で、エックス線画像では単房性または多房性の透過像を示し、歯根の吸収を伴うことがあります。組織学的には、エナメル器に類似した上皮胞巣の辺縁に円柱状細胞が柵状に並ぶのが特徴です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成