5 年前から手と顎にふるえが生じている70 歳の女性。歩き始めの一歩が出にくいと…
5 年前から手と顎にふるえが生じている70 歳の女性。歩き始めの一歩が出にくいという。かかりつけの神経内科医からドパミンの前駆物質であるレボドパ〈L-dopa〉を処方されたところ症状が改善した。運動障害の原因となる変性が疑われるのはどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 海馬海馬は記憶に関わる部位で、変性はAlzheimer病などの認知機能障害と関係します。
- ⑵ 黒質黒質のドパミン作動性ニューロンの変性がParkinson病の運動障害の原因です。
- ⑶ 孤束核孤束核は味覚や内臓感覚を受ける延髄の核で、Parkinson病の運動障害とは関係しません。
- ⑷ 視床下部視床下部は自律神経や内分泌の中枢で、本症例の運動障害の原因部位ではありません。
- ⑸ 三叉神経主感覚核三叉神経主感覚核は顔面の触圧覚を中継する核で、運動障害の原因ではありません。
解説
正解は⑵です。安静時振戦、すくみ足(歩き始めの一歩が出にくい)などの症状と、ドパミン前駆物質のレボドパで改善したことから、Parkinson病が考えられます。Parkinson病は中脳の黒質緻密部にあるドパミン作動性ニューロンが変性・脱落し、線条体へのドパミン供給が減ることで運動障害を生じます。歯科では振戦による清掃不良や嚥下障害、薬剤による口腔乾燥にも注意が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成