22歳の女性。前歯の色が気になると来院した。上下の多くの永久歯に、歯冠を横切る帯…
22歳の女性。前歯の色が気になると来院した。上下の多くの永久歯に、歯冠を横切る帯状の灰褐色の着色が左右対称にみられる。歯の表面はなめらかで、欠けや白濁はない。幼児期に呼吸器の感染症で、ある抗菌薬を繰り返し飲んでいたという。この着色の成り立ちとして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 歯の形成期に過量のフッ化物をとり、エナメル質の石灰化が乱れて着色した。過量のフッ化物では白濁や褐色の斑点がみられ、表面の異常を伴います。
- ⑵ 外傷で歯髄が壊死し、血液の分解物が象牙細管に入り込んで着色した。歯髄の壊死による変色は外傷を受けた歯に限られ、多数歯にはみられません。
- ⑶ 遺伝によってエナメル質が作られず、黄色い象牙質が透けて見えている。エナメル質の形成不全では、表面が粗く薄くなります。
- ⑷ 萌出したあとに飲食物の色素が歯の表面に付き、歯石とともに沈着した。表面の着色は歯面の清掃で除け、左右対称の帯状にはなりません。
- ⑸ 歯の形成期に服用した抗菌薬が、形成中の歯の硬組織に取り込まれた。テトラサイクリン系の薬は形成中の歯に取り込まれ、帯状の着色を作ります。
解説
最も適切なのは、歯の形成期に服用した抗菌薬が、石灰化している途中の歯の硬組織に取り込まれたことです。テトラサイクリン系の抗菌薬はカルシウムと結合しやすく、歯の形成期に服用すると象牙質などに取り込まれ、服用した時期に一致して帯状の着色が残ります。色は黄色から灰褐色で、紫外線を当てると蛍光を示します。このため、歯の形成期の小児や妊婦にはこの系統の薬を避けます。
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