8歳の男児。上顎右側中切歯の唇側面に、限局した白斑と小さな陥凹がある。ほかの永久…
8歳の男児。上顎右側中切歯の唇側面に、限局した白斑と小さな陥凹がある。ほかの永久歯に同様の異常はない。4歳のときに上顎右側乳中切歯を強く打撲し、その後に歯肉が腫れたことがあるという。この異常の原因として考えられるのはどれか。
- ⑴ 先天梅毒により、切縁に半月状の切れ込みのある歯が作られた。先天梅毒の歯は複数の切歯に半月状の切痕を示し、所見と合いません。
- ⑵ 歯の形成期にフッ化物を多く摂取し、エナメル質に白斑ができた。フッ化物の過剰摂取では同じ時期に形成される複数の歯に左右対称の白斑が出ます。
- ⑶ 遺伝によりエナメル質が作られにくく、表面に陥凹ができた。遺伝性のエナメル質形成不全症では、ほぼすべての歯に異常が現れます。
- ⑷ 先行する乳歯の外傷や根尖の炎症が、形成中の後継永久歯に及んだ。乳歯の外傷や根尖病変が後継永久歯の歯胚に影響し、1歯に限局した形成不全が生じます。
- ⑸ 歯の形成期にテトラサイクリン系抗菌薬を使い、帯状に着色した。テトラサイクリンによる着色は複数の歯に帯状に現れます。
解説
先行する乳歯の外傷や根尖の炎症が、形成中の後継永久歯に及んだことが原因と考えられます。乳歯の根尖のすぐ近くには後継永久歯の歯胚があり、乳歯の強い打撲や根尖病変が歯胚に影響すると、その1歯のエナメル質に白斑や陥凹などの形成不全が生じます。これをターナー歯と呼びます。フッ化物やテトラサイクリン、遺伝による異常は複数の歯に現れるため、1歯に限局していることが見分ける手がかりになります。
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