8歳の男児。脳性麻痺があり、胃食道逆流症で治療を受けている。乳臼歯の咬合面と上顎…
8歳の男児。脳性麻痺があり、胃食道逆流症で治療を受けている。乳臼歯の咬合面と上顎の歯の口蓋側面のエナメル質が広く滑らかに失われ、象牙質が露出している。歯垢の付着は少なく、軟化した齲窩や着色はない。1年前の健診ではこれらの歯に異常はなかった。この歯の変化の主な原因として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 歯の形成期に全身の病気があり、エナメル質がはじめから薄く作られた。1年前には異常がなかったため、形成期の障害ではなく萌出後に失われたものです。
- ⑵ 逆流した胃酸が繰り返し口腔内に入り、歯面を化学的に溶かした。細菌の関与しない酸による歯の溶解で、逆流の当たる口蓋側面に広く生じます。
- ⑶ 就寝中の歯ぎしりで上下の歯が強くこすれ合い、咬む面がすり減った。咬耗は上下の歯が接触する面に生じ、接触しない口蓋側面の広い欠損は説明できません。
- ⑷ 歯垢中の細菌が食物の糖から酸を作り、歯面を局所的に溶かした。細菌による齲蝕なら歯垢の付着部に軟化した齲窩ができ、滑らかな広い欠損にはなりません。
- ⑸ 硬い歯ブラシで強く横に磨き続け、歯頸部がくさび状に削れた。ブラッシングによる摩耗は歯頸部の唇頬側にくさび状に生じ、口蓋側面には現れにくいです。
解説
逆流した胃酸が繰り返し口腔内に入り、歯面を化学的に溶かしたことが最も考えられます。細菌の関与なしに酸で歯が溶ける変化を酸蝕症といい、胃食道逆流症では胃酸の当たりやすい上顎の歯の口蓋側面や臼歯の咬合面に、滑らかで光沢のある広い欠損が生じます。脳性麻痺のある小児では胃食道逆流が起こりやすく、乳歯はエナメル質が薄いため象牙質まで早く達します。主治医と連携し、フッ化物の応用で歯面を守ります。
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