8歳の女児。奥歯がしみると訴えて来院した。左右の上下顎第一大臼歯の咬合面に、境界…
8歳の女児。奥歯がしみると訴えて来院した。左右の上下顎第一大臼歯の咬合面に、境界の明瞭な白色から黄褐色の不透明な部分があり、一部ではエナメル質が崩れて象牙質が露出している。上顎中切歯の唇面にも境界明瞭な白斑がある。これらは萌出した直後からみられ、乳歯には同様の所見はない。この患児の第一大臼歯への対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 崩れた部分を接着性の材料で修復し、フッ化物の応用で残りの歯面を守る。形成不全でもろくなった部分を覆い、知覚過敏と崩壊の進行を抑えます。
- ⑵ 原因は乳歯の外傷なので、前歯と大臼歯の歯髄反応を毎月調べる。乳歯の外傷や根尖病変による後継歯の形成不全は1歯に限られ、多数の第一大臼歯に及ぶ所見とは異なります。
- ⑶ 不透明部は外来性の着色なので、研磨剤を使って歯面から除去する。不透明部はエナメル質の石灰化の不全で、表面の着色ではありません。
- ⑷ 象牙質の形成異常が全歯に及ぶため、乳歯にも既製冠を装着する。所見は永久歯の第一大臼歯と切歯に限られ、乳歯には異常がありません。
- ⑸ 不透明部は齲蝕による脱灰なので、齲蝕検知液で染めて削り取る。萌出直後からある境界明瞭な不透明部は形成の異常で、齲蝕とは異なります。
解説
崩れた部分を接着性の材料で修復し、フッ化物の応用で残りの歯面を守るのが最も適切です。第一大臼歯と切歯に限って萌出直後から境界明瞭な不透明部がみられるのは、それらの歯のエナメル質が形成される時期の石灰化の不全によるものです。もろいエナメル質は咬合で崩れやすく、知覚過敏や齲蝕も起こりやすくなります。崩壊部の修復とフッ化物の応用、定期的な管理を行います。
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