48歳の男性。下顎左側第一大臼歯の抜髄のため髄室を開拡していたところ、髄床底の根…
48歳の男性。下顎左側第一大臼歯の抜髄のため髄室を開拡していたところ、髄床底の根分岐部に直径約1mmの穿孔が生じた。穿孔部からの出血は圧迫で止まり、歯周ポケットは全周で3mm以下である。この歯への対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 穿孔部を次亜塩素酸ナトリウム液で長時間洗い流し、そのまま開放して排出を図る。穿孔部から根分岐部の組織へ洗浄液が押し出されると組織を傷め、開放は感染を招きます。
- ⑵ 穿孔部に水酸化カルシウム製剤を詰めたまま根管治療を終え、すぐに歯冠修復を行う。水酸化カルシウム製剤は溶けやすく、穿孔部の長期的な封鎖材料には向きません。
- ⑶ 髄床底の穿孔は修復できないため、根分岐部の骨が失われる前にこの歯を抜歯する。小さな穿孔で歯周組織が健全なら、早期の封鎖で歯を保存できる見込みが十分にあります。
- ⑷ ホルマリンを含む薬剤を穿孔部に貼付して、根分岐部の組織を固定してから仮封する。組織を固定する薬剤は周囲の歯周組織に強い刺激を与え、穿孔部の治癒を妨げます。
- ⑸ 穿孔部を洗浄して止血し、MTAセメントで封鎖してから根管治療を続ける。早期に生体親和性と封鎖性の高い材料で穿孔部を塞ぐと、根分岐部の組織を保てる見込みが高くなります。
解説
穿孔部を洗浄・止血し、MTAセメントで封鎖してから根管治療を続けるのが最も適切です。髄床底の穿孔は、時間がたつと細菌が入り込んで根分岐部に炎症と骨吸収を生じ、予後が悪くなります。穿孔が小さく新しく、歯周組織が健全であれば、生体親和性と封鎖性に優れたMTAセメントなどで早く塞ぐことで保存できる見込みがあります。刺激の強い薬剤の使用や長時間の開放は、穿孔部の治癒を妨げます。
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