11歳の男子。転倒して上顎左側中切歯を打ち、2時間後に来院した。歯冠はわずかに挺…
11歳の男子。転倒して上顎左側中切歯を打ち、2時間後に来院した。歯冠はわずかに挺出して動揺があり、エックス線検査では歯根の中央の高さに水平な破折線がみられる。歯冠側の破片の歯髄は電気診に反応しない。この時点の対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 破折した歯を抜去し、両隣の歯を支えにしたブリッジを作る。整復と固定で保存できる見込みが高く、11歳での抜歯とブリッジは不適切です。
- ⑵ 受傷当日に抜髄し、歯根の先端まで根管充塡を行う。歯根破折では歯髄が生き残ることが多く、受傷直後に抜髄はしません。
- ⑶ 固定は行わず、硬いものをかませて歯冠を自然な位置へ誘導する。動揺した破片に力がかかると治癒が妨げられるため、固定して安静を保ちます。
- ⑷ 残る歯根の上にクラウンを作るため、歯冠側の破片を抜き取る。歯根の中央での破折では、残る歯根が短くクラウンを支えられません。
- ⑸ 歯冠側の破片を元の位置に戻し、隣の歯と弾性のある固定をして経過を追う。整復と固定で破折部の治癒を待ち、歯髄の反応は回復することが多いため経過を追います。
解説
歯冠側の破片を元の位置に戻し、隣の歯と固定して経過を追うのが最も適切です。歯根の中央での水平破折では、歯冠側の破片を整復して固定すると、破折部が硬組織や結合組織で治癒することが多くあります。受傷直後は歯髄が電気診に反応しないことがありますが、時間とともに回復する例が多いため、すぐに抜髄はしません。経過中に歯髄壊死の所見が現れた場合に、歯冠側の破片の根管治療を検討します。
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