58歳の女性。下顎右側第二小臼歯は数年前に根管治療を受け、金属のポストと冠が装着…
58歳の女性。下顎右側第二小臼歯は数年前に根管治療を受け、金属のポストと冠が装着されている。最近、頬側の歯肉が腫れた。頬側の中央の1か所だけに深さ10mmの狭い歯周ポケットがあり、ほかの部位は3mmである。エックス線写真では、歯根に沿って細長い透過像がみられる。最も考えられる病態はどれか。
- ⑴ 歯髄の破骨細胞が、象牙質を内側から吸収している状態内部吸収は根管と連続した丸い透過像で、根管治療済みの歯ではみられにくい所見です。
- ⑵ 根尖性歯周炎で、再根管治療を行えば治癒が見込める状態根尖性歯周炎では根尖部の透過像が主で、1か所の狭く深いポケットとは合いません。
- ⑶ 歯石による辺縁性歯周炎で、スケーリングで改善する状態辺縁性歯周炎ではポケットが広い範囲に及び、1か所に限局しません。
- ⑷ 歯根が縦に割れており、保存が難しいことが多い状態1か所に限局した深く狭いポケットと歯根に沿う透過像は、垂直歯根破折に特徴的です。
- ⑸ 根尖に生じた歯根嚢胞が、大きく広がっている状態歯根嚢胞は根尖を中心とした円形の透過像で、所見と合いません。
解説
歯根が縦に割れた垂直歯根破折が最も考えられ、保存が難しいことが多い状態です。ポストが装着された失活歯では、咬合力がポストからくさびのように歯根に伝わり、縦に破折することがあります。破折線に沿って細菌が入るため、1か所に限局した狭く深い歯周ポケットや、歯根に沿う細長い透過像が現れます。破折線が根尖まで及ぶものは保存が難しく、抜歯となることが多いため、ポストの設計にも注意が必要です。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。