8歳の男児。2日前に転倒して上顎右側中切歯を打撲した。歯の破折と動揺はなく、エッ…
8歳の男児。2日前に転倒して上顎右側中切歯を打撲した。歯の破折と動揺はなく、エックス線検査では歯根の形成が途中で、根尖は開いていると読影された。電気歯髄診では反応がみられなかった。この検査結果の扱いとして適切なのはどれか。
- ⑴ 外傷直後で根未完成でもあるため、歯髄壊死と決めず、時期をおいて再検査する。外傷直後や根未完成の歯では、生きた歯髄でも電気刺激に反応しないことがあるため、経過を追って判断します。
- ⑵ 電極を当てる前に、歯面を唾液で湿らせたままにして再び測定する。唾液で湿っていると電流が歯肉へ流れ、正しく測定できません。歯面は防湿・乾燥させます。
- ⑶ 反応がないことから歯髄壊死と判断し、来院した当日に抜髄を行う。一時的な反応の消失と壊死を区別できない時期で、早すぎる抜髄は根の発育を止めてしまいます。
- ⑷ 反応の閾値が高いほど歯髄の炎症が強いと判断し、炎症の程度を数値で評価する。電気歯髄診は歯髄の生死の目安を得る検査で、炎症の程度を測ることはできません。
- ⑸ 隣接する健全な歯を比較に用いると結果が乱れるため、患歯の値で判定する。個人差があるため、反対側同名歯や隣在歯の値と比較して判断します。
解説
歯髄壊死と決めつけず、時期をおいて再検査するのが適切です。電気歯髄診は神経線維の反応をみる検査で、根未完成の歯では神経の発達が十分でなく、外傷直後には一時的に反応が消えることがあるため、生きた歯髄でも反応しない場合があります。早まって抜髄すると歯根の発育が止まります。測定は歯面を防湿・乾燥して行い、反対側同名歯や隣在歯と比べて判断します。閾値から炎症の強さを知ることはできません。
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