A さんのセルフケアの観察項目で優先度が高いのはどれか。
次の文を読み115〜117 の問いに答えよ。A さん(30 歳、男性)は統合失調症で内服治療をしていた。最近、部屋にこもり、精神科受診以外は外出しなくなった。ある日、母親がA さんの部屋で大量の薬を見つけ、確認すると「薬は飲みたくない」と話した。受診に付き添った母親は「A は昼間に寝ていて、夜に窓を開けて、隣の家に向かって『悪口を言うな』『監視するな』と大声で怒鳴る」と主治医に話した。A さんと母親の強い希望があり、精神科病棟に入院することになり、薬物療法が開始された。入院3日、夜間の巡視のたびにA さんは起きていて「隣の人が自分を監視している」「皆が悪口を言っている」と小さな声で看護師に話した。日中はホールで眠そうにしていることもあり、レクリエーションには「疲れた」と言って参加しない。他の患者と話すことはあるがトラブルはない。歯磨きや身だしなみは、声をかけると行う。
A さんのセルフケアの観察項目で優先度が高いのはどれか。
- ⑴ 孤独と付き合いのバランス他の患者と話すことができトラブルもみられていませんので、対人関係の領域で今すぐ介入を要する状況ではなく、優先度は相対的に低くなります。
- ⑵ 活動と休息のバランス夜間に眠れず日中に眠そうという昼夜のリズムの逆転が最も明確な問題です。休息がとれないと症状の回復も日中の活動も妨げられます。
- ⑶ 安全を保つ能力自傷や他害を示す言動はみられておらず、この時点で安全を保つ能力が最優先の観察項目とはいえません。ただし変化には注意を続けます。
- ⑷ 個人衛生歯磨きや身だしなみは声をかければ行えており、必要な援助は声かけの範囲にとどまります。優先度は相対的に低くなります。
解説
正解は⑵です。Aさんは夜間の巡視のたびに起きていて幻聴や妄想を訴え、日中はホールで眠そうにしており、昼夜のリズムが逆転しています。休息がとれない状態が続くと症状の回復が妨げられ、日中の活動にも参加できなくなりますので、セルフケアの観察としては活動と休息のバランスが最も優先されます。他の患者との交流は保たれ、自傷や他害の言動もなく、歯磨きや身だしなみも声をかければ行えていますので、これらの領域の優先度は相対的に低くなります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-03_04_05.html)を加工して作成