72 歳の男性。筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉で療養中である。会話による意思疎通は…
72 歳の男性。筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉で療養中である。会話による意思疎通は可能である。呼吸機能が悪化し人工呼吸器の装着が必要な状況であるが、本人は家族に迷惑をかけることを危惧して装着を希望していない。妻は人工呼吸器を装着して欲しいと考えているが、子どもたちは熟慮の末、装着しなくてよいと考えている。今後の対応で最も適切なのはどれか。
- ⑴ 妻の意向を尊重する。意思決定能力のある本人を差し置いて妻の意向を優先するのは不適切です。
- ⑵ 患者の意向を尊重する。本人の意向は最も重要ですが、家族への負担という理由を含め話し合いで確認すべきです。
- ⑶ 医療者の意向を尊重する。医療者の意向を優先するのはパターナリズムで不適切です。
- ⑷ 子どもたちの意向を尊重する。本人の意思を確認せず子どもたちの意向を優先するのは不適切です。
- ⑸ 患者、妻、子どもたち、医療者で話し合いを行う。本人を中心に家族と医療者が話し合い合意を形成する、共有意思決定が適切です。
解説
正解は⑸です。ALS患者の人工呼吸器装着は生命に直結する重大な意思決定であり、意思疎通が可能な本人の意向が最も尊重されるべきです。ただし本人の拒否の理由が家族への負担の懸念である場合は、介護支援や社会資源の活用で解消できる可能性があります。厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に基づき、本人を中心に家族と医療・ケアチームが繰り返し話し合い、合意形成を図ることが最も適切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成