68歳の男性。8年前に胃癌で胃をすべて切除する手術を受けた。半年前から疲れやすく…
68歳の男性。8年前に胃癌で胃をすべて切除する手術を受けた。半年前から疲れやすく、最近は両足の先がしびれ、暗い所でふらつくようになった。ヘモグロビン8.8 g/dLで、赤血球は大きく、平均赤血球容積は124 fLである。この貧血としびれの原因として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 胃癌が骨髄に転移し、血液を作る場所が癌で置き換わった骨髄への転移でも貧血は起こりますが、大きな赤血球と足のしびれの組合せはビタミンの欠乏を示します。
- ⑵ 胃を切除したため、食事からとる鉄が吸収されにくくなり、鉄が不足した鉄の不足では赤血球は小さくなります。大きな赤血球と神経のしびれは鉄の不足では説明できません。
- ⑶ 手術のときの輸血で肝炎ウイルスに感染し、肝臓の働きが落ちている肝臓の病気でも赤血球がやや大きくなることはありますが、足のしびれとふらつきの組合せは説明できません。
- ⑷ 自分の赤血球に対する抗体ができて、赤血球が血管の中で壊されている赤血球が壊される貧血では黄疸や網赤血球の増加がみられ、足のしびれは説明できません。
- ⑸ 胃の切除でビタミンB12の吸収に必要な物質が作られなくなった胃の壁細胞から出る物質がビタミンB12の吸収に必要です。胃の全摘後は数年で欠乏し、大きな赤血球の貧血と神経障害が起こります。
解説
最も考えられるのは、胃を切除したためにビタミンB12を吸収するのに必要な物質が作られなくなったことです。ビタミンB12は胃の壁細胞から出る内因子と結びついて小腸の終わりで吸収されます。胃を全摘すると内因子がなくなり、体内の蓄えが尽きる数年後に欠乏が現れます。DNAの合成が妨げられて大きな赤血球の貧血となり、脊髄の後ろ側の障害で足のしびれや暗い所でのふらつきも起こります。治療はビタミンB12の注射です。
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