18歳の男子。以前から疲れやすく、ときどき白目が黄色くなると言われていた。父親も…
18歳の男子。以前から疲れやすく、ときどき白目が黄色くなると言われていた。父親も若いころに同じ症状があり、脾臓を摘出している。血液検査で貧血と間接ビリルビンの上昇があり、血液の塗抹標本で、中央のくぼみがない小さな球形の赤血球が多数見られる。腹部の診察で脾臓を触れる。この貧血が起こる仕組みとして最も適切なのはどれか。
- ⑴ ビタミンB12が不足してDNAが作れず、大きな赤血球が骨髄の中で壊される。ビタミンB12不足では大きな赤血球が見られます。小さな球形の赤血球とは逆です。
- ⑵ 鉄が不足してヘモグロビンが十分に作れず、小さく色の薄い赤血球が増える。鉄欠乏では赤血球は小さく色が薄くなりますが、黄疸や脾腫、間接ビリルビンの上昇は起こりません。
- ⑶ 膜を支えるたんぱくの異常で赤血球が球形になり、脾臓で壊されやすくなる。遺伝性球状赤血球症では膜の異常で赤血球が球形になって変形しにくく、脾臓を通るときに壊されます。
- ⑷ 骨髄で血液のもとになる細胞が減り、赤血球が作られにくい。骨髄の造血の低下では黄疸や脾腫は起こらず、壊される溶血の所見とは合いません。
- ⑸ 自分の赤血球に対する抗体が後から作られ、免疫の働きで赤血球が壊される。父親にも同じ症状があり、若いころからの経過は遺伝性の病気を示します。
解説
赤血球の膜を支えるたんぱくの異常で赤血球が丸くなり、脾臓で壊されやすくなる遺伝性球状赤血球症です。膜の骨組みのたんぱくに生まれつきの異常があると、赤血球は中央のくぼみを失って小さな球形になり、変形しにくくなります。そのため脾臓の狭い通り道を抜けられずに壊され、貧血、黄疸、脾腫が起こります。多くは常染色体顕性の遺伝形式をとり、重い場合は脾臓の摘出で溶血が減ります。
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