1 歳の男児。全身の皮疹を主訴に母親に連れられて来院した。2 週間前に感冒様症状…
1 歳の男児。全身の皮疹を主訴に母親に連れられて来院した。2 週間前に感冒様症状があり、その後、感冒様症状は改善したが、1 週間前から下肢の皮疹が出現した。2 日前から全身に皮疹を認めるようになったため受診した。腹痛および関節痛は認めない。関節内出血や筋肉内出血の既往はない。家族歴に特記すべきことはない。身長80 cm、体重10 kg。体温36.5 ℃。脈拍120/分、整。呼吸数32/分。顔色良好、眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。咽頭に発赤を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。皮疹は上からガラス板で圧迫しても退色しない。頰部、腹部および左下腿の皮疹の写真(別冊No. 5A~C)を別に示す。予想される血液検査値はどれか。
- ⑴ PT 延長PT延長は凝固因子の異常で生じ、ITPでは凝固検査は正常です。
- ⑵ APTT 延長APTT延長は血友病などでみられ、筋肉内・関節内出血の既往もない本例では考えにくいです。
- ⑶ 血小板数低値感染後の点状出血・紫斑から免疫性血小板減少症が考えられ、血小板数が低値となります。
- ⑷ D ダイマー高値Dダイマー高値はDICや血栓症でみられ、全身状態が良好な本例では考えにくいです。
- ⑸ フィブリノゲン低値フィブリノゲン低値はDICなどでみられ、ITPでは正常です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。1歳児が感冒様症状の2週間後に、ガラス板で圧迫しても退色しない皮疹、すなわち点状出血や紫斑を全身に認めています。写真は本文から確認できませんが、点状出血と紫斑が想定されます。顔色は良好で、肝脾腫やリンパ節腫脹はなく、関節内出血や筋肉内出血の既往もないことから、ウイルス感染後に生じる急性の免疫性血小板減少症(ITP)が考えられ、血小板数の低値が予想されます。小児のITPの多くは数か月以内に自然寛解します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成