64歳の男性。2か月前から咳と血の混じった痰があり、体重が5 kg減った。1日3…
64歳の男性。2か月前から咳と血の混じった痰があり、体重が5 kg減った。1日30本の喫煙を45年間続けている。手の指を診察すると、指先が太鼓のばちのようにふくらんでいる。この指の所見として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 爪の付け根の角度がなくなり、爪が指先を包むように丸く盛り上がっている指先のばちのようなふくらみでは、爪と指の付け根の間の角度がなくなり、爪が丸く盛り上がります。肺癌などの慢性の病気でみられます。
- ⑵ 爪に横向きの溝ができて、爪の表面が波打つように見える爪の横溝は一時的に爪の成長が止まった跡で、ばちのような指先のふくらみではありません。
- ⑶ 爪の中央が薄くへこんで縁が反り返り、全体がスプーンのような形になっている爪がスプーンのように反り返るのは、鉄欠乏性貧血などでみられる所見で、ばち指とは異なります。
- ⑷ 寒いときに指先が白くなり、その後に紫から赤へと色が変わる指の色の変化は血管がけいれんする現象で、指先の形の変化ではありません。
- ⑸ 指の第一関節の背側に、硬いこぶのような骨の出っ張りがある指の第一関節の骨の出っ張りは変形性関節症の所見で、指先全体がふくらむ所見ではありません。
解説
最も適切なのは、爪の付け根の角度がなくなり、爪が指先を包むように丸く盛り上がっている所見です。これはばち指と呼ばれ、指先の軟部組織が増えて太鼓のばちのような形になります。肺癌、気管支拡張症、間質性肺炎などの慢性の肺の病気や、チアノーゼのある先天性心疾患などでみられます。重い喫煙歴と血痰、体重減少があるこの男性では、肺癌を考えて胸部の検査を進めます。スプーンのような爪は鉄欠乏性貧血でみられ、別の所見です。
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