66歳の男性。1か月前から両足がむくみ、靴がきつくなった。すねを指で10秒ほど押…
66歳の男性。1か月前から両足がむくみ、靴がきつくなった。すねを指で10秒ほど押すと、離したあともくぼみが残る。尿の泡立ちが強く、尿たんぱくが多量に出ている。血清アルブミン2.0 g/dL。頸静脈の怒張はなく、心臓の音にも異常はない。このむくみが生じる主な仕組みとして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 炎症で毛細血管の壁が傷み、血液の成分が漏れやすくなった。炎症によるむくみは局所の発赤や熱感を伴い、両足に対称に出るこの経過と合いません。
- ⑵ 血液中のたんぱくが減り、水を血管内に保つ力が弱まった。低アルブミン血症で血漿の膠質浸透圧が下がり、水が血管の外へ移ってむくみが生じます。
- ⑶ リンパ管がふさがり、組織の液体を回収できなくなった。リンパ浮腫は押してもくぼみが残りにくく、尿たんぱくや低アルブミン血症とは関係がありません。
- ⑷ 心臓のポンプの働きが落ち、静脈の圧が上がって水が漏れ出した。頸静脈の怒張や心音の異常がなく、心不全によるむくみを示す所見はありません。
- ⑸ 甲状腺ホルモンが減り、皮下にムコ多糖類が沈着した。甲状腺機能低下症のむくみは押してもくぼみが残らないのが特徴です。
解説
血液中のたんぱくが減り、水を血管内に引きとどめる力が弱まったことが主な仕組みです。尿に多量のたんぱくが失われるネフローゼ症候群では、血清アルブミンが下がり、血漿の膠質浸透圧が低下して、水が血管の外の組織へ移ります。重力の影響で下肢に強く出て、押すとくぼみが残ります。むくみを診るときは、押した跡が残るかどうかと、心臓、腎臓、肝臓、甲状腺の病気の手がかりをあわせて確かめます。
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