68歳の男性。高血圧と脂質異常症がある。今朝、右眼の視野の上から黒いカーテンが下…
68歳の男性。高血圧と脂質異常症がある。今朝、右眼の視野の上から黒いカーテンが下りてくるように見えなくなり、5分ほどで元どおりに見えるようになった。眼の痛みや充血はなく、受診時の視力と眼底に異常はない。手足の麻痺や言葉の障害はない。まず行う検査として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 涙の量を測る検査で、眼の表面の乾燥によって見えにくくなっていないかを調べる。眼の乾燥でカーテンのように視野が欠けることはありません。
- ⑵ 頸部の超音波検査で、首の動脈の壁に狭窄や動脈硬化の病変がないかを調べる。片眼の一過性の視力消失は、頸動脈の病変から流れた小さな塞栓が原因のことが多く、脳梗塞の前ぶれとして調べます。
- ⑶ 眼圧を測り、眼の中の液体の出口がふさがって眼圧が上がっていないかを調べる。眼圧の急上昇では痛みや充血を伴います。数分で回復した片眼の視力消失の原因を探す検査としては優先されません。
- ⑷ 色の見分け方を調べる検査で、生まれつきの色覚の特性がないかを確かめる。色覚の検査では、急に起こった一過性の視力消失の原因は分かりません。
- ⑸ 眼鏡の度数を測り直し、見え方の変化が近視の進行によるものかを確かめる。屈折の変化で数分間だけ見えなくなることはありません。血管の病気を考えて調べます。
解説
頸部の超音波検査で頸動脈の病変を調べるのが最も適切です。片眼の視野が数分間カーテンのように見えなくなって回復する一過性黒内障は、頸動脈の動脈硬化の病変から小さな塞栓が流れ、眼の動脈を一時的に詰まらせて起こることが多い症状です。一過性脳虚血発作と同じく、近いうちに脳梗塞や網膜の動脈の閉塞を起こす危険があるため、速やかに原因を調べて予防の治療につなげます。
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