ある病院で、濃度の高い塩化カリウム注射液を希釈せずに静脈内へ注入しかける事例が続…
ある病院で、濃度の高い塩化カリウム注射液を希釈せずに静脈内へ注入しかける事例が続けて報告された。いずれも別の職員が直前に気づき、患者への害はなかった。再発を防ぐ対策として最も効果が高いのはどれか。
- ⑴ 注入しかけた職員に経緯を書面で提出させ、病棟の会議で読み上げる。個人の責任を問う対応は報告をためらわせ、仕組みの改善にもつながりません。
- ⑵ 注射の指示を口頭で出し、受けた看護師が復唱してから準備する。口頭指示は聞き違いを招きやすく、緊急時以外は避けるべき方法です。
- ⑶ 新人職員に薬の名称と濃度の一覧表を配り、暗記できたか試験で確かめる。教育も必要ですが、記憶に頼る方法では疲れや忙しさによる誤りを防ぎきれません。
- ⑷ 高濃度の製剤を病棟に置かず、薬剤部で希釈したものを払い出す運用に変える。誤りが起こりうる物そのものを現場から取り除く対策は、人の注意に頼る対策より確実です。
- ⑸ 原液での静注を禁じる旨を大きく書いた掲示を、病棟の詰所に貼る。掲示による注意喚起は慣れで効果が薄れやすく、人の注意に頼る弱い対策です。
解説
高濃度の製剤を病棟に置かず、薬剤部で希釈したものを払い出す運用に変えるのが最も効果的です。医療事故の対策は、人は誤りを起こすものという前提で、仕組みとして誤りが起こりにくくすることが基本です。危険な物を取り除く、取り違えられない形にするといった対策は、注意喚起や教育よりも確実に働きます。個人を責める対応は報告を減らし、かえって安全を損ないます。
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