病棟で、看護師が点滴の輸液バッグを隣のベッドの患者のものと取り違えて接続しかけた…
病棟で、看護師が点滴の輸液バッグを隣のベッドの患者のものと取り違えて接続しかけたが、滴下を始める前に患者の名札を見て気づき、正しいものに付け替えた。患者に影響はなかった。この出来事への対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 患者と家族に謝罪したうえで、病棟内の出来事として当事者間で処理する。当事者間で処理すると組織として情報が共有されず、ほかの病棟でも同じ誤りが起きる可能性が残ります。
- ⑵ 医療事故として警察署に届け出て、輸液バッグを証拠として保管しておく。実害のない取り違えの未遂は警察への届出の対象ではありません。院内の報告制度で扱う事例です。
- ⑶ 当事者の看護師に始末書を書かせ、病棟の会議で名前を挙げて注意を促す。個人の責任追及に偏ると報告がためらわれ、背景にある仕組みの問題が見えなくなります。
- ⑷ 医療事故調査・支援センターに報告し、外部の調査委員会の設置を依頼しておく。医療事故調査制度の対象は、医療に起因する予期しない死亡・死産です。この事例は対象になりません。
- ⑸ インシデントとして報告し、取り違えが起きた経緯を分析して再発防止策を立てる。患者に害が及ばなかった事例も、事故の予兆として報告し原因を分析することで、同じ誤りの再発を防げます。
解説
インシデントとして報告し、経緯を分析して再発防止策を立てるのが適切です。患者に害が及ばなかった誤りも、重大な事故の手前で起きた予兆であり、報告して組織で共有することに意味があります。個人を責めると報告が減り、確認手順や配置など仕組みの問題が見えなくなります。警察への届出や医療事故調査制度は、この実害のない事例には当たりません。
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