72歳の男性。誤嚥性肺炎で入院した。入院時の喀痰培養からメチシリン耐性黄色ブドウ…
72歳の男性。誤嚥性肺炎で入院した。入院時の喀痰培養からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌が検出された。咳はほとんどなく、意識は清明である。この患者の病室で医療者がとる感染対策として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 標準予防策に加え、患者に触れる処置の際は手袋とガウンを着けて接触予防策をとる。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌は主に接触で伝播するため、標準予防策に接触予防策を加えます。
- ⑵ 聴診器や血圧計はほかの患者と共用し、使用後は週に1回まとめて消毒する。器具を介した伝播を防ぐため、聴診器などは患者専用にするか、使用ごとに消毒します。
- ⑶ 医療者の手指は流水で洗えば足りるので、病室での速乾性消毒薬は省く。目に見える汚れがなければ、速乾性擦式消毒薬による手指衛生が基本です。病室の出入りの際に用います。
- ⑷ 空気感染を防ぐため、陰圧の個室に収容して入室者にN95マスクを着けさせる。陰圧個室とN95マスクは結核や麻疹など空気感染する病原体への対策です。この菌には当たりません。
- ⑸ 同室の患者全員に、予防のためバンコマイシンを内服させる。保菌の予防目的で周囲の患者に抗菌薬を投与することはしません。耐性菌を増やす原因にもなります。
解説
標準予防策に加えて接触予防策をとるのが最も適切です。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌は医療者の手や器具を介した接触で広がるため、患者に触れる処置では手袋とガウンを着け、聴診器などは専用にします。手指衛生は速乾性擦式消毒薬が基本です。陰圧個室やN95マスクは空気感染への対策で、この菌には必要ありません。周囲の患者への予防的な抗菌薬投与は行いません。
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