この女性の病態として正しいのはどれか。2つ選べ。
56 歳女性。1 日の排尿回数が日中・夜間に関係なく増えており、外出先でトイレの心配をすることが多くなってきた。また、急に我慢できないような尿意を覚えることがあるため、「市販の薬を試してみたい。」と相談に薬局を訪れた。医師の診察・治療は受けておらず、薬剤によるアレルギー及び副作用の経験はないとのことであった。薬局にはプロピベリン塩酸塩 10 mg を含有する医薬品があり、来局者が使用可能かを確認することにした。
この女性の病態として正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 膀胱に感染性炎症がある。過活動膀胱は尿路感染症などの炎症を除外して診断するもので、感染性炎症があるとはいえません。
- ⑵ 膀胱からの求心路障害はない。尿意を強く感じており膀胱からの求心路は保たれているため、求心路障害はないとする記述は正しいです。
- ⑶ 残尿がある。過活動膀胱は残尿がないことを前提とし、残尿がある場合は排出障害を考えます。
- ⑷ 大脳から排尿中枢への抑制が弱くなっている。大脳から排尿中枢への抑制が弱まり膀胱が不随意に収縮して尿意切迫感が生じるため、正しい記述です。
- ⑸ 腹圧の上昇で起こる。腹圧の上昇で起こるのは腹圧性尿失禁で、尿意切迫感を主とする過活動膀胱とは異なります。
解説
正解は⑵と⑷です。この女性は尿意切迫感と頻尿があり、過活動膀胱と考えられます。過活動膀胱は、加齢などにより大脳から脳幹の排尿中枢への抑制が弱まり、膀胱が十分にたまる前に排尿筋が不随意に収縮することで起こります。膀胱からの求心路が障害されて尿意を感じない状態ではありません。過活動膀胱の診断では尿路感染症などの器質的疾患を除外し、残尿や排尿困難がないことを前提とします。腹圧の上昇で尿が漏れるのは腹圧性尿失禁の特徴です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成