数日後、この女性は婦人科を受診し、子宮内膜症と診断された。本患者における子宮内膜…
33 歳既婚女性。頭痛、生理痛及び便秘があり、薬局へ相談に訪れた。薬剤師は相談者から以下の内容を聞き取った。・挙児を強く希望しているが、いまだ妊娠には至っていない。・出産経験はない。・妊娠を考えて、症状があってもなるべく薬を飲まないように我慢していた。・生理時に下腹部だけでなく骨盤の辺りも痛むようになったが、痛みがあるのは生理期間中の数日間だけなので、市販の薬で乗り切りたい。・週に5 日ほど排便がない時がある。・天気の悪い日は頭が痛くなる。・妊娠から授乳期まで服用しても安心な薬があるなら使用したい。
数日後、この女性は婦人科を受診し、子宮内膜症と診断された。本患者における子宮内膜症の病態として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 出産の経験がないことが、発症のリスク因子である。出産経験がなく月経回数が多いことは子宮内膜症の発症リスク因子であり、正しい内容です。
- ⑵ 黄体ホルモンの作用により、病変組織が発生した。子宮内膜症はエストロゲン依存性の疾患で、黄体ホルモン製剤(ジエノゲストなど)はむしろ治療に用います。
- ⑶ 子宮内腔以外に病変は発生しない。子宮内膜症は卵巣や腹膜、ダグラス窩など子宮内腔以外に病変が発生する疾患です。
- ⑷ 疼痛の悪化には、月経を重ねたことが関係している。月経のたびに病変部で出血・炎症が繰り返されて疼痛が悪化するため、正しい内容です。
- ⑸ 子宮体がんを合併するリスクが高い。子宮内膜症で注意すべきは卵巣がんの合併であり、子宮体がんのリスクが特に高いわけではありません。
解説
正解は⑴と⑷です。子宮内膜症は子宮内膜に似た組織が子宮外で増殖する疾患で、エストロゲン依存性に進行します。未産婦であることや初経が早いことなど、月経回数が多いことがリスク因子となり、月経を繰り返すたびに病変で出血や炎症が起こって疼痛が悪化します。病変は卵巣、ダグラス窩、腹膜など子宮内腔以外に発生し、黄体ホルモン製剤はむしろ治療に用いられます。卵巣チョコレート嚢胞から卵巣がんが発生するリスクに注意が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成