本患者の病態に関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。
9 歳男児。身長 136 cm、体重 31 kg。1 年前に咳嗽、喀痰及び呼吸困難を主訴に来院し、気管支ぜん息と診断されて治療が開始された。現在は、月に1 ~2回、夜間に息苦しさとともに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった呼吸音が聞こえるとのことである。呼吸機能検査(スパイログラム)では、1 秒量(FEV1)と1 秒率(FEV1%)の低下がみられたが、%肺活量(%VC)は基準範囲内であった。また、血液検査ではハウスダストに対する IgE 抗体が陽性であった。現在の処方は以下のとおりである。(処方1 )アドエア 100 ディスカス 60 吸入用(注) 1 個1 回1 吸入 1 日2 回 朝就寝前 吸入注:サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルを含有する吸入粉末剤。1 吸入で、サルメテロールとして 50 μg 及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして 100 μg を吸入できる。(処方2 )モンテルカストチュアブル錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 就寝前 30 日分(処方3 )プロカテロール塩酸塩水和物エアゾール5 μg 1 個発作時 1 回2 吸入 1 日4 回まで
本患者の病態に関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ アトピー型の気管支ぜん息と考えられる。ハウスダストに対する特異的IgE抗体が陽性で、アトピー型気管支ぜん息と考えられるため適切です。
- ⑵ 呼吸機能検査の結果から、拘束性換気障害が疑われる。1秒率が低下し%肺活量は正常なので、拘束性ではなく閉塞性換気障害を示します。
- ⑶ 胸部聴診では、発作時に呼吸に伴って笛音が聴取される。発作時は気道狭窄により笛音(ウィーズ)が聴取されるため、適切な記述です。
- ⑷ 血中のシアル化糖鎖抗原(KL-6)が高値を示す。KL-6は間質性肺炎で上昇するマーカーで、気管支ぜん息では通常上昇しません。
- ⑸ 喀痰中の好中球が増加している。気管支ぜん息の喀痰で増加するのは主に好酸球で、好中球ではありません。
解説
正解は⑴と⑶です。ハウスダストに対するIgE抗体が陽性で、環境アレルゲンに対する特異的IgEが関与するアトピー型の気管支ぜん息と考えられます。1秒量・1秒率が低下し%肺活量が正常であることから、拘束性ではなく閉塞性換気障害を示します。発作時には狭くなった気道を空気が通るため、聴診で笛音(ウィーズ)が聴取されます。KL-6は間質性肺炎のマーカーであり、ぜん息の喀痰では主に好酸球が増加し、好中球ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成