HIV 感染症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
35 歳男性。献血時の検査でヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体陽性となり、HIV 感染症と診断された。
HIV 感染症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ エムトリシタビンは、HIV 感染細胞内でリン酸化されて活性体となり、HIVのRNA 依存性DNA ポリメラーゼを阻害する。エムトリシタビンは細胞内でリン酸化されて活性体となり、HIVの逆転写酵素を阻害します。
- ⑵ マラビロクは、RNA 依存性DNA ポリメラーゼの活性中心近傍に結合して、酵素活性を阻害する。マラビロクはCCR5に結合してHIVの侵入を阻害する薬です。逆転写酵素の活性中心近傍に結合するのは非核酸系阻害薬です。
- ⑶ ラルテグラビルは、HIV インテグラーゼを阻害して、ウイルスDNA の宿主DNA への組込みを抑制する。ラルテグラビルはHIVインテグラーゼを阻害し、ウイルスDNAの宿主DNAへの組込みを抑制します。
- ⑷ アバカビルは、HIV プロテアーゼを阻害して、ウイルスタンパク質の産生を抑制する。アバカビルはグアノシン類似の核酸系逆転写酵素阻害薬で、プロテアーゼ阻害薬ではありません。
- ⑸ エファビレンツは、宿主の細胞膜上のC-C ケモカイン受容体5 (CCR5)に結合して、HIV の細胞内への侵入を抑制する。エファビレンツは非核酸系逆転写酵素阻害薬です。CCR5に結合して侵入を抑えるのはマラビロクです。
解説
正解は⑴と⑶です。エムトリシタビンはシチジン類似の核酸系逆転写酵素阻害薬で、感染細胞内でリン酸化されて三リン酸体となり、HIVの逆転写酵素(RNA依存性DNAポリメラーゼ)を阻害します。ラルテグラビルはインテグラーゼ阻害薬で、ウイルスDNAが宿主DNAに組み込まれるのを抑制します。マラビロクはCCR5阻害薬で侵入を阻害し、アバカビルは核酸系逆転写酵素阻害薬、エファビレンツは逆転写酵素の活性中心近傍に結合する非核酸系逆転写酵素阻害薬です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成