この患者へのぺムブロリズマブの投与にあたり、病棟担当薬剤師が留意することとして適…
72 歳女性。嗄声が継続していたため近医を受診した。胸部 X 線検査で右肺腫瘤を指摘され、総合病院呼吸器内科を紹介受診した。精査の結果、cT2N3M1b、Stage ⅣA の非小細胞肺がん(腺がん)と診断された。パフォーマンスステータス(PS)0 。EGFR 遺伝子変異陰性、ALK 遺伝子転座陰性、ROS1 遺伝子転座陰性、BRAF 遺伝子変異陰性、PD-L1 ≧ 50%。一次治療としてペムブロリズマブが投与されることになった。
この患者へのぺムブロリズマブの投与にあたり、病棟担当薬剤師が留意することとして適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 投与前における制吐剤の予防投与ペムブロリズマブは催吐リスクが最小度に分類され、制吐剤の予防投与は通常必要ありません。
- ⑵ 投与前における腎機能に応じた用量の調節抗体医薬で腎排泄ではないため、腎機能に応じた用量調節は行いません。
- ⑶ 治療中の咳、息苦しさなどの症状間質性肺疾患は重要な免疫関連有害事象であり、咳や息苦しさなどの症状に留意するのは適切です。
- ⑷ 治療中の甲状腺機能の異常甲状腺機能低下症・亢進症などの内分泌障害が起こり得るため、甲状腺機能の異常に留意するのは適切です。
- ⑸ 治療中の EGFR 遺伝子変異陰性に伴う副作用の増悪EGFR遺伝子変異陰性であること自体が副作用を増悪させるわけではなく、留意事項として不適切です。
解説
正解は⑶と⑷です。ペムブロリズマブなどの免疫チェックポイント阻害薬では、自己免疫に似た免疫関連有害事象(irAE)が問題になります。代表的なものに間質性肺疾患があり、咳や息苦しさなどの症状に注意します。また甲状腺機能低下症・亢進症などの内分泌障害も比較的多く、治療中の甲状腺機能検査が推奨されます。本剤は催吐リスクが最小度で制吐剤の予防投与は通常不要であり、抗体医薬のため腎機能による用量調節も行いません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成