ソクマル薬剤師

トラスツズマブ デルクステカンの副作用のうち、この患者の背景からリスクが高まると…

58 歳女性。2 年前に右乳房の浸潤性乳管がんと診断され、右乳房全切除及び腋窩リンパ節郭清が施行された。病理検査の結果、ホルモン受容体陰性、HER2 に対する免疫組織化学染色 1+の HER2 低発現乳がんと診断され、術後補助療法として放射線治療(胸壁・鎖骨上窩照射)が施行された。半年前、局所再発及び肺転移が確認され、ドキソルビシン+シクロホスファミド併用療法にて全身化学療法が開始された。初期には治療が奏効していたが、4 コース後に画像上で肺転移及び鎖骨上窩リンパ節の増大を認めた。今回の入院では、トラスツズマブ デルクステカンを導入することになった。
トラスツズマブ デルクステカンの副作用のうち、この患者の背景からリスクが高まると考えられるのはどれか。2つ選べ。

解説

正解は⑵と⑷です。トラスツズマブ デルクステカンでは間質性肺疾患が重要な副作用で、この患者は胸壁・鎖骨上窩への放射線治療歴と肺転移があり、肺障害のリスクが高まっています。また抗HER2抗体を含むため心機能低下が起こり得ますが、この患者はアントラサイクリン系のドキソルビシンによる治療歴があり、胸部放射線照射歴も加わって心毒性のリスクが高いと考えられます。下痢や末梢神経障害、infusion reactionは患者背景から特にリスクが高まる副作用ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成

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