65 歳男性。身長178 cm、体重75 kg。食道がんの術前・術後の栄養管理に…
65 歳男性。身長178 cm、体重75 kg。食道がんの術前・術後の栄養管理に栄養サポートチーム(NST)が介入することになった。術前においては、本患者の食道に通過障害はあるものの、水分摂取は可能で食道以外に障害はなかった。術後においても、水分摂取は可能であった。この患者に対する栄養療法に関する記述として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 術前の栄養管理は、経腸栄養療法は実施できない。術前も水分摂取が可能で食道以外に障害はないため、液状の経腸栄養剤による栄養管理は実施できます。
- ⑵ 術後の栄養管理には、経腸栄養療法が適している。術後も水分摂取が可能で消化管機能が保たれているため、生理的で感染リスクの低い経腸栄養療法が適しています。
- ⑶ 末梢静脈栄養療法では1 日で必要な糖質量を摂取できる。末梢静脈は浸透圧の高い輸液に耐えられないため、末梢静脈栄養では1日に必要な糖質量を投与できません。
- ⑷ 経腸栄養剤としては、消化態栄養剤よりも半消化態栄養剤の方が適している。消化吸収機能が保たれている患者では、浸透圧が低く下痢を起こしにくい半消化態栄養剤の方が適しています。
- ⑸ 経腸栄養療法よりも、中心静脈栄養療法の方が感染性リスクは少ない。中心静脈栄養はカテーテル関連血流感染症を起こすことがあり、経腸栄養療法よりも感染リスクが高くなります。
解説
正解は⑵と⑷です。栄養療法は「腸が使えるなら腸を使う」が原則で、この患者は術前・術後とも水分摂取が可能で食道以外の消化管に障害がないため、経腸栄養療法が適しています。消化吸収機能が保たれているため、消化態栄養剤よりも浸透圧が低く下痢を起こしにくい半消化態栄養剤の方が適しています。末梢静脈栄養では高濃度の糖液を投与できず、1日に必要な糖質量をまかなえません。中心静脈栄養はカテーテル関連血流感染症のリスクがあり、経腸栄養より感染リスクは高くなります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成