薬剤師が2 回目の訪問時に患者宅にあるヘルパーの訪問記録から、薬がきちんと飲めて…
69 歳男性。一人暮らし。隣県に息子が住んでおり、休日にこの男性の世話をしている。処方1 及び2 の薬剤で治療していたが、物忘れが多くなり、2 ケ月前より処方3 の薬剤が開始となった。服薬を忘れることもあり、息子は一人では面倒をみられないと近所の地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請を行い、今月要支援2 の認定を受けた。主治医は、残薬が多く服薬に問題があるため、服薬支援のために薬局薬剤師の在宅訪問を考えた。この男性、息子、医師、薬剤師、介護支援専門員と相談の結果、薬剤師の月1 回訪問が決まり、契約を締結し、薬剤管理指導の費用を介護保険で請求することとなった。初回訪問時の処方は以下のとおりである。(処方1 )イミダプリル塩酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)タムスロシン塩酸塩口腔内崩壊錠0.1 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分(処方2 )酸化マグネシウム錠330 mg 1 回2 錠(1 日6 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 28 日分(処方3 )ガランタミン口腔内崩壊錠8 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)ファモチジン口腔内崩壊錠10 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 28 日分
薬剤師が2 回目の訪問時に患者宅にあるヘルパーの訪問記録から、薬がきちんと飲めているが、ここ1 ケ月ほど軟便が続いているという情報を得た。この患者に合わせた薬剤師の対応として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 水分摂取を控えるよう患者と息子に指導した。高齢者が軟便の状態で水分摂取を控えると脱水のおそれがあるため、不適切な指導です。
- ⑵ 酸化マグネシウムの減量を主治医に提案した。軟便は緩下剤である酸化マグネシウムの効きすぎが考えられるため、減量を主治医に提案します。
- ⑶ 市販の止瀉薬を購入し、服用するよう患者と息子に指導した。原因薬剤を見直さずに市販の止瀉薬を追加すると、多剤併用や便秘の原因となるため適切ではありません。
- ⑷ ファモチジンの増量を主治医に提案した。ファモチジンの増量は軟便の改善にはつながらず、高齢者では副作用のリスクも高まります。
- ⑸ ガランタミンの増量を主治医に提案した。ガランタミンはコリン作動性の作用で下痢などを起こすことがあり、増量すると軟便が悪化するおそれがあります。
解説
正解は⑵です。患者は薬を正しく服用できているにもかかわらず軟便が続いており、緩下剤である酸化マグネシウム(1日1,980 mg)の効きすぎが考えられます。そのため、主治医に酸化マグネシウムの減量を提案するのが適切です。高齢者では脱水を起こしやすいため、水分摂取を控えるよう指導するのは不適切です。原因を確認しないまま市販の止瀉薬を勧めるのも適切ではありません。ガランタミンはむしろ下痢などの消化器症状を起こすことがあるため、増量は症状を悪化させるおそれがあります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成