前問で最も可能性が高い疾患を患者が治療中であることを眼科医に確認できたので、泌尿…
65 歳男性。最近、尿意を我慢できなくなってきたため、近くの泌尿器科を受診したところ、過活動膀胱と診断され、行動療法とともに以下の処方で治療を開始することとなった。当薬局への来局は今回が初めてであったことから、お薬手帳の確認と聞き取りを行った。(処方)ソリフェナシンコハク酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分(お薬手帳の内容)ラタノプロスト点眼液 1 日1 回1 滴ドルゾラミド塩酸塩点眼液 1 日1 回1 滴患者からの聞き取りにて、眼科通院中で、お薬手帳に記載の点眼液を使用中であることを泌尿器科の処方医に伝えていなかったことが分かった。
前問で最も可能性が高い疾患を患者が治療中であることを眼科医に確認できたので、泌尿器科の医師に処方変更を提案することにした。提案する薬物の作用機序として適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ アドレナリン α1 受容体刺激α1受容体刺激は尿道を収縮させる方向に働き、過活動膀胱の治療に用いる作用機序ではありません。
- ⑵ アドレナリン β3 受容体刺激β3受容体刺激薬は膀胱平滑筋を弛緩させて蓄尿機能を高め、抗コリン作用がないため緑内障の患者にも使いやすいです。
- ⑶ アセチルコリンM3 受容体遮断M3受容体遮断はソリフェナシンと同じ抗コリン作用であり、緑内障への懸念が解消されません。
- ⑷ アンドロゲン受容体遮断アンドロゲン受容体遮断は前立腺がんなどの治療に用いる作用機序で、過活動膀胱の治療薬ではありません。
- ⑸ ミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)遮断ミネラルコルチコイド受容体遮断は高血圧や心不全に用いる作用機序で、過活動膀胱の治療薬ではありません。
解説
正解は⑵です。ソリフェナシンはムスカリン受容体遮断薬で、抗コリン作用により散瞳を起こし、閉塞隅角緑内障では眼圧を上昇させるおそれがあるため禁忌とされています。そこで、抗コリン作用をもたない過活動膀胱治療薬として、アドレナリンβ3受容体を刺激して膀胱平滑筋を弛緩させ、蓄尿機能を高めるミラベグロンやビベグロンへの変更を提案します。M3受容体遮断薬は現在の薬と同じ作用機序のため問題が解決しません。他の選択肢は過活動膀胱の治療に用いる作用機序ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成