新たに開始する候補薬剤の作用機序として、適切なのはどれか。2つ選べ。
29 歳女性。5 年前に潰瘍性大腸炎と診断され、メサラジン、副腎皮質ステロイド薬、タクロリムス、アザチオプリン、アダリムマブを使用してきたが、これまでの治療薬では寛解の維持が困難であった。医師はこれまでとは異なる作用機序の薬剤を新たに開始することを検討している。
新たに開始する候補薬剤の作用機序として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ IL-12 及びIL-23 のp40 サブユニットに特異的に結合して、ヘルパーT 細胞の活性化を抑制する。ウステキヌマブはIL-12/IL-23共通のp40サブユニットに結合してヘルパーT細胞の活性化を抑え、これまでと異なる作用機序です。
- ⑵ TNF-α に特異的に結合して、TNF-α の作用を抑制する。TNF-αの阻害は既に使用したアダリムマブと同じ作用機序のため、異なる作用機序の候補にはなりません。
- ⑶ カルシニューリンを阻害して、IL-2 の産生を抑制する。カルシニューリン阻害によるIL-2産生抑制は、既に使用したタクロリムスと同じ作用機序です。
- ⑷ プリン塩基の合成を阻害して、リンパ球の増殖を抑制する。プリン塩基の合成阻害によるリンパ球増殖の抑制は、既に使用したアザチオプリンと同じ作用機序です。
- ⑸ ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害して、リンパ球の活性化を抑制する。JAK阻害薬はサイトカインのシグナル伝達を遮断してリンパ球の活性化を抑え、これまでと異なる作用機序です。
解説
正解は⑴と⑸です。この患者は、5-ASA製剤(メサラジン)、ステロイド、カルシニューリン阻害薬(タクロリムス)、代謝拮抗薬(アザチオプリン)、抗TNF-α抗体(アダリムマブ)を使用してきました。これらと異なる作用機序をもつ候補としては、IL-12/IL-23のp40サブユニットに結合する抗体のウステキヌマブや、JAKを阻害するトファシチニブなどのJAK阻害薬があります。TNF-αの阻害、カルシニューリン阻害、プリン合成阻害は既に使用した薬と同じ作用機序です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成