患者は内服薬による治療を希望し、新たに内服薬を開始することになった。医師より、開…
29 歳女性。5 年前に潰瘍性大腸炎と診断され、メサラジン、副腎皮質ステロイド薬、タクロリムス、アザチオプリン、アダリムマブを使用してきたが、これまでの治療薬では寛解の維持が困難であった。医師はこれまでとは異なる作用機序の薬剤を新たに開始することを検討している。
患者は内服薬による治療を希望し、新たに内服薬を開始することになった。医師より、開始する薬剤に関する留意点について、患者への説明を依頼された。説明する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 寛解が得られた後、寛解維持期においては隔日投与となること。JAK阻害薬は寛解維持期も連日服用し、用量を調節することはあっても隔日投与にはなりません。
- ⑵ 腎機能障害が現れやすいこと。腎機能障害はJAK阻害薬に特徴的な副作用ではありません。注意すべきは感染症や脂質異常、血栓塞栓症などです。
- ⑶ 脂質検査値の異常が現れる可能性があること。JAK阻害薬では、LDLコレステロール上昇などの脂質検査値の異常が現れることがあります。
- ⑷ 眠気が起こりやすいこと。眠気はJAK阻害薬に特徴的な副作用ではありません。
- ⑸ 感染症を起こしやすいこと。JAK阻害薬は免疫を抑制するため、帯状疱疹などの感染症を起こしやすくなります。
解説
正解は⑶と⑸です。前問の候補のうち内服薬はトファシチニブなどのJAK阻害薬です。JAK阻害薬は免疫を抑制するため、帯状疱疹を含む感染症を起こしやすく、発熱などの症状があれば早めに受診するよう説明します。また、LDLコレステロールの上昇などの脂質検査値の異常が現れることがあり、定期的な検査が必要です。寛解維持期も連日投与が基本で、隔日投与にはなりません。腎機能障害や眠気は、この薬に特徴的な副作用とはいえません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成